SVO from〜ingのfromって何?
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SVO from〜ingのfromって何?
SVO from 〜ingという文型の時のVはprevent、stop、deter、keep(いずれも「妨げる」)、prohibit(「禁止する」)、dissuade(「思いとどまらせる」)のような他の人の行動を邪魔するニュアンスの動詞です。
Illness prevented me /from attending school.病気が私を妨げた/学校に出席することから→病気のために私は学校に行けなかった。
I dissuaded him /from going there.私は彼を思いとどまらせた/そこにいくことから→私は彼を説得してそこにいくのを思いとどまらせた。
ではなぜこのfrom〜が出てきたのでしょうか?
SVO to do〜の逆だからSVO from 〜ing
fromが登場するのはSVO to do〜の逆だからSVO from 〜ingとなるからです。
toとfromは真逆です。
そこから導け出せます。
SVO to do〜が「使役」(他人に何かをやらせる)というニュアンスなので、真逆の意味の「止める」「妨げる」は真逆の文型のSVO from〜ingになる。
見た瞬間に「させない」「止める」「妨げる」等のニュアンスとわかるようにするためにtoの逆のfromを使っているわけです。
fromの「〜から」という意味がtoの逆だということを利用して文章全体の意味を瞬時にわからせるのが目的なので、fromを律儀に訳すと逆に不自然になります。(訳すと意味が不自然になることこそ、SVO to do〜の逆であることを瞬時にわからせることが目的だと言えると思います)
SVO from〜ingという文の構造の中のみで考えるのではなく、もっと英語の世界の全体を見渡して、逆の意味の構造との対比を利用して考えるとわかりやすくなります。
SVO from〜ingという文型からのみfromを説明している説明は、全て不十分です。
SVO to do〜との対比が正解だと思います。
ではそのSVO to do〜の詳説をおまけでやります。
SVO to do〜の説明(おまけ)
SVO to do〜で、Oとto do〜が「主述の関係」(Oが〜する)なら、Vは使役的な意味の動詞です。
I told him /to run.私は彼に言った/走るように
I forced him/ to run.私は彼に強いた/走るように
toが”→”を表すのは有名だと思います。
「〜に」「〜に対して」など文脈に応じて色々な意味になりますが、→であることは変わりません。
go to school. なら「学校に行く」、dance to musicなら「音楽に達して踊る」→「音楽に合わせて踊る」、To my surprise, he failed.なら「私の驚きに到達したのだが、彼は失敗した」→「私が驚いたことに、彼は失敗した」「彼が失敗して私は驚いた」のようになります。
使役動詞でも同じで、「走るように」という「〜ように」が→に当たります。
人(=O)に対して、何かにする(=動詞の原形)に向かうように(=to)する(=V)、ということで使役的な意味の動詞の文型はSVO to do〜になるわけです。
SVO to do〜の真逆がSVO from〜ing
この真逆がSVO from〜ingです。
この文型のVは「妨げる(preventなど)」「禁止する(prohibitなど)」「思いとどまらせる(dissuade)」のような、「人が何かをすることを邪魔する」感じの動詞になります。
to「〜へ」とfrom「〜から」は真逆ですね。
toが人に何かをさせるという使役動詞に繋がるなら、fromは人が何かをするのを邪魔するニュアンスに繋がります。
toの後ろは原形が来れますが、fromの後ろは無理なので動名詞になります。
I prevented him /from going.私は彼を生かせないようにした。(ジーニアス英和大辞典)
私は彼を妨げた/行くことから
「妨げる」のですから、「行くこと」に向かう(=to)のではなく、「行くこと(going)」「から」遠ざかるようにさせています。
ですからfrom goingとなります。
She dissuaded her brother from joining the army.彼女は弟の入隊を思いとどまらせた。(ジーニアス英和大辞典)
これも弟が「入隊すること」「を思いとどまらせる」ので、「入隊すること」「から」遠ざかるようにさせているので、from joining the armyとなるわけです。
結論
SVO to do〜の逆なのでSVO from 〜ingです。
だれもこんなことを聞いたこともないでしょうし、どんな本にも出ていない。(このfromってなんだろうと高校時代からずっと考えてようやく辿り着けたものです。私のオリジナルです。いつも生徒さんをSVO to do〜の説明で、do〜に向かっていく、ということで肩を後ろから押します。SVO from〜ingは「〜することから」遠ざけるでしょ、と言って生徒さんの肩を後ろに引きます。)
となると日本の英語のお偉いさんからの支持は期待できないのは明白で残念ですが、自分はこれで今の所全て矛盾なく例外なく説明がつくので非常に重宝しています。
もちろんこれでずっと教えていて、全く問題は出ていません……というよりも「確かに」「なるほど」の声ばかり今の所頂いております。
矛盾や例外がありましたら是非ご指摘いただければ幸いです。(forbidという「禁じる」がSVO from〜ing以外にSVO to do〜でも表せるくらいかな、今の所。prohibit「禁じる」はSVO to do〜は不可。)
fromの省略される場合あり
「妨げる」prevent, stop, deter, keep でprevent,stopはfromを省略することがあります。
I prevented him (from) going.私は彼を行かせないようにした。(ジーニアス英和大辞典)
She stopped the child (from) playing with matches.彼女は子供がマッチで遊ぶのをやめさせた。(ジーニアス英和大辞典)
ネイティブでもこのfromはどうなの?という意識が働いているのでしょう、口語表現では特に省略の傾向があるようです。
ネイティブでも何これ?と思うfrom。
SVO from〜ingの中だけで理解することは不可能ではないかと思います。(高校以来ずっと考えてわからなかった。あってもいいが、なくてもいいじゃないか、なぜ使うのだろうか?という気持ちを払拭する理論を思いつけなかった。申し訳ないがネットでどのお説を見ても私は納得できません。fromを正面から解説しようとしても、それは私から見たら筋違い。全然違うところで宝を探してもお宝はないのです。)
SVO to do〜と逆の意識があった、と見ていますが…エヴィデンスはないので、仮説の段階です。
仮説のあとの実証を…とは思っていますが、なかなか難しく、現段階はここまでが精一杯です。