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  • quite a fewがなぜ「多い」ニュアンスを持つのか(おまけ・a fewとfewはどちらが多いか?)

    2024.7.20

    まずは前提でfewとa fewについて(なぜ前者は否定「ほとんど〜ない」で後者は肯定「2・3の〜」「少し〜ある」なのか)。

    fewは古英語(西暦1100年前後くらいまでの英語)のfēawa「少ない」を由来とする語。

    現代では「ほとんど〜ない」という意味で使われているのはお分かりかと思います。

    manyの古英語manig「多くの」の対義語で、「非常に少ない」ということです。

     

    many「多い」という肯定的な語の対義語。

    故にfewは「ほとんど〜ない」(否定的)となります。

     

    aはoneを由来とする語というのもお分かりかと思います。

    oneは古英語ではān。

    ān→one(数字の1)

    ān→a、an(不定冠詞)

    元々はaとoneは同一語でした。

     

    few visitors「ほとんど訪問者がいない」

    ここにa(=one)がつくと…

     

    few visitors「ほとんど訪問者がいない」+a「1(人)」→a few visitors「少し訪問者がいる」「2〜3人訪問者がいる」となります。(実際に1人加えられたというのではなく、aが心理的なプラスを表し、それが加わることで肯定的な意味に転化した、ということです)

     

    fewのみだと「ほとんど〜ない」で、完全に否定的。(古英語時代からの原義)

    a fewだと「2、3の〜」「少し〜ある」とa(=one)の存在のおかげで肯定的な意味が出てきます。(OEDでは1297年が初めて使われた比較的新しい使い方だとのことです)

    quite「非常に」を各々に加えると…(quiteは、quiteに強勢があると「まあまあ」、quiteに強勢がないと「非常に」となるが[ジーニアス英和大辞典]、ここでは原義の「非常に」で考えます。原義はラテン語quietus「静かな」→「静める」→「すっかり解放する」→「すっかり」「完全に」「全く」「非常に」)※quiet静かな、quit〜をやめる、quite非常に、は兄弟語

     

    quite fewは「非常に少数の」と否定的な気持ちがさらに強まります。

    quite a fewだとfew「少ない」がa「肯定的」という意味が強まる。

    「少ない」が、「肯定的な意味が強い」とはどういうことでしょうか。

     

    先に結論を言うと「少なからずの」という意味になります。

    「たくさん」なのだが、それを直接には言わずに、婉曲的に、控えめに表現している遠回しな言い回しになると思います。

    We had quite a few guests come over!

    「たくさんお客さんが来てくれたよ!」ではなく「少なからずお客さんが来てくれたよ!」「少なくないお客様に来ていただけた!」となると思います。(前者は直接的、後二者は控えめなニュアンスになります。この控えめなニュアンスこそquite a fewの言いたいところ。それを「多くの」と訳しては台無しではないでしょうか。)

     

    quite a fewは確かに「多くの」という意味を表していますが、manyという語を使っていない限り「多くの」と訳すのは適切ではないと思います。

    英語でquite a fewと表している以上、少ないが、肯定的で、それを強調している、として訳すのが適切だと思います。

     

    表現されている英語に対して、適切に対応する日本語で対応させる。

    私が大学で散々言われたことで、教授の権威故に同意しているのではなく、全く正当だと思う故守っていることです。

    私はquite a fewを「かなり多くの」と訳すのには反対です。

     

    「少なからずの」のような「少ない」をベースとした訳にしなくてはならないと思います。

    quite a fewが「多い」と同意になるというのは、一応上記のようなプロセスで確かに数の面( 「多い」のか「少ない」のかという点)では同意にはなるのですが…quite a fewに「非常に多くの」という訳語を宛てることは躊躇するというのが私の個人的見解です。

    (心理的な面で「多い」というニュアンスを直接的には言い表したくないのに、「多い」という訳語を宛てることに皆さん躊躇しない。この態度、おかしいのではないでしょうか。池田英語塾の文法説明はいつも怒りが入ってしまって恐縮です。申し訳ないとも思うのですが…非常に単純なことを日本の英語業界が出来なさすぎです。「多い」をオブラートで包んで表そうとアメリカ人がしているのに、日本人が「多い」と大声で言っていたら…デリカシーがなさすぎです。そうなると自然と怒りモードになってしまうのです…。)

    ____________

    ちなみにa few とfewではどちらが数が多いでしょうか?
    大抵の方がa fewとお答えになりますが、正答は「同数」。

    (1)「コップに半分水が入っている」「コップに半分しか水が入っていない」

    さぁどっちが水は多い?

    もちろん「同量」。

    これと同じです。

     

    a fewという表現は、few「ほとんど〜ない」にaを付け加えて肯定的な意味にしただけのですから同数です。

    「半分しか」「半分も」と同じ発想です。

     

    (2)あと、日本で一般に流布しているa few「2、3の〜」という訳も利用して説明します。(「少ないながら肯定」のニュアンスなので文脈によってはもっと多い数を表すことがあります。「川崎球場のロッテ対近鉄にしては、観客が少しいた。 」”For a Lotte vs. Kintetsu game at Kawasaki Stadium, there were a few spectators.”これならa fewは数百人から数千人はいたニュアンスになります。すみません、かなり昔の例文です。ただここでは一般的な「2・3の〜」で説明します)

    a fewは「不定で少数の」の意味ですが「2〜3の」とも訳し、直後には複数形が来ます( a few guestsのように)。

     

    fewも後ろに複数形が来ます(few guestsのように)。

    なら確実に2はある。

    しかし2と断定していない。

    2とは限らない複数で少ないことを表し、否定的な意味ということ。

    これを総合すると「少ない(否定的)」が少なくとも「2〜3」はあることを表している。

    だからa fewとfewに関して、数は同数を表していると判断しています。

     

    (3)さらにトドメだ。

    「5人」に「5人しか(only)」と(only)を加えても同数ですね?

    となるとa few「2,3の〜」「少し〜ある」にonlyを加え、only a fewになっても「同数」ですよね。

    only a fewの意味は「ほとんど〜ない」です。

    fewも「ほとんど〜ない」です。

    辞書を引いてくださいね、語学の基礎です。

     

    はい、a fewとfewは同数です。

    証明終わり。

     

     

    a fewの方がfewより多いと言う方。

    それは「半分も」の方が「半分しか」より多いと言っているのと同じですよ。

    いい加減に日本の英語教育業界のいい加減さに気が付きましょう。

     

    これで「やり直し英語」したって時間の無駄、受験勉強しても時間の無駄、無駄無駄無駄無駄。

    池田英語塾は無駄ではありません。

    証明していると思います。

    信じないのは…そんなはずがない、という無駄な抵抗心ですかね。

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