1. HOME
  2. “present participle”はOK、「現在分詞」は誤り(誤訳) | 池田英語塾
  • “present participle”はOK、「現在分詞」は誤り(誤訳)

    2024.12.4

    present participle、日本では「現在分詞」と訳されています。

    I saw a dog running /in the park /yesterday.「私は一匹の犬が走っているのを見た/公園を/昨日」

     

    特に最初の区切りの中を見てみます。

    I saw「私は見た」

    a dog running「一匹の犬が走っているのを」

    「私は(昨日)見た」

    「一匹の犬が走っているのを」

    ________________________

    present participleは適切な用語か否か検証しましょう

    「走っている」はpresent participleで表します。

    pre-「前に」-es「存在して」-ent(=英語の〜ing)「〜未完了な状態」→「目の前に存在し、まだ完了していない」から派生して「居合わせている」「現在の」といった意味が出てきます。

    present participleのpresentはラテン語の原義「近くにいる」「目の前にいる」というニュアンスを表します(分詞は時間とは無関係で容態のみを表します。ですから「現在の」という訳は選択してはいけません)。

    「私は犬が走っているのを見た」の「走っている」は「目の前で起きている」ことを表す分詞で表現するのです(「目の前で起きている」ことは必ずしも「現在」ではありません。なのに「現在分詞」と現在に全て結びつけることはおかしいです。)。

    結論:presentは「目の前で起きている」というニュアンスなので、present participleは一応許容できる文法用語です。

     

    ________________________

    現在分詞は適切な用語か否か検証しましょう

    I saw a dog running /in the park /yesterday.「私は一匹の犬が走っているのを見た/公園を/昨日」

    「走っている」は現在分詞です。

    厳密に解釈しましょう。

    「私は一匹の犬が(現在)走っているのを見た/公園を/昨日」

     

    「私」はどうも予言者のようです。

    「私は昨日見た」のです。「一匹の犬が現在走っているのを」。

    予言者ですね。すごいすごい。………っておかしいですよね。

    現在分詞は全くおかしな用語です。

     

    以下のような反対意見があるようです:

    分詞は時間を決定しない、動詞のsawが決定するのだ、そのsawの時点を基準にして考えるのだ(一種の時制の一致だ)。

    sawの時点から見たら、犬は「走っている」。

    だからsawを基準としたのと同時、なので現在分詞なのだ…(時制の一致だと現在分詞を使うらしいのですが……過去時制と一致してたら「現在」分詞ですか?なぜ?時制が一致するなら「過去」では?私には何が何やら複雑怪奇に思えるのですが…。もっとシンプルに考える手段を知ってもいるもので、非常に可笑しく感じます)

     

    ……………………………………面倒臭くありませんか?

    分詞は時間(時制)を決定しないと言っておいて、分詞に現在という時間の名前をつけておくのは明らかにおかしいです。

    結論: present participleを「現在分詞」と訳すのは明治時代の誤訳です。

    分詞は時間の概念とは無関係で、容態を表すのみです。

    現在分詞という名称は、内容を誤解させる可能性のあるとんでもない名称です。

    (池田英語塾では「未完了能動分詞」と呼んでいます。「未完了」は「完了」との対比だとも気付けます。「進行」とか「途中」とかでは気付けません。不完全な用語です。)

     

    語学関係者の方、職業上誤訳を見つけたらたら修正しますよね?

    今回もしましょう。

    明らかな英語学習の誤訳を、英語が専門ではない上智大学外国語学部イスパニア語学科卒が指摘して申し訳ありませんが、あまりにもひどいので私は看過できず指摘しているというだけです。

     

    もうお亡くなりになりましたが、神吉教授が私が2年生かな(1984年)、lectura(読解)の講義で、和訳が私にあたった。

    ちょうど一番自信のある部分が当たりました。

    私が和訳を答えたら、なんと神吉先生は「私が準備してきた訳より上ですね、それ頂きましょう」とおっしゃった。(私は心の中でガッツポーズ!と同時に神吉先生すごいな、学生の訳に負けを認めるという対応されるとは…とも思いました。こちらは全く勝った感はなく、ただすごいな、と思いました。)

     

    これが本来の教える側のあるべき姿ではないでしょうか。

    より良いものがあればそれを採用する。

    間違いがあれば即刻正す。

    考えてみれば簡単なことです。

    ……今の日本の英語の世界では見かけないように思います、残念ながら皆無です。

     

    (神吉先生の訳は間違いではないと思います。当時、おそらくこういう訳を準備しているのだろうな、などと生意気にも思った記憶があります。その訳も受験なら正解の訳でした。……40年前の話でどういうスペイン語を和訳したのかもう記憶が定かではないのが残念ですが…ん〜、なんだったかな…)

     

    文部科学省さん、英語を日本人ができないのはあなた方が柔軟に対応しないからです。

    現在分詞は誤訳です。

    その結果、英語で誤解、混乱が生じる可能性がある(=日本人の英語力が向上しない)

    即刻改めなくてはならないのではないでしょうか(過去分詞編に続く)

     

     

今すぐ申込みをする