目次
「進行形」?初めに結論
馴染みのある、長い伝統のある言葉ですが、「進行」は…正直に言わせて貰えば間違いです。(推奨できません)
一見、わかるように思えて、その実、非常にあいまいな用語です。
「未完了」(一旦〜してor〜し始めて、まだ終わっていない)に全て置き換えましょう。
「未完了」は例外なく全てが説明できます。
「進行性の癌」「熱愛進行中」
「あなたは進行性の癌です」「俳優のXと女優のYが熱愛進行中」
この言葉を聞いて、「やった!もうすぐ癌が治る!」「明日別れるだろうな」と普通思うでしょうか。
(後者はもしかしたらありうるかももしれませんが)原則的には「癌はそのまま悪化する」「熱愛が進んでもっと熱々になる」のような意味合いで使われています。
決して終わることを念頭には置いていません。
広辞苑によると「進行」は「進んで行くこと」「次の段階に移っていくこと」「はかどること、はかどらせること」です。これらの定義からも一切終わることを想定した、前提にした意味ではないと分かります。
だから「進行形」という言葉は誤りなのです。
解
「進行形」はダメ!「未完了形」が正解
正しいのは「未完了形」です。(=一旦〜してor〜し始めて、まだ終わっていない)
(大学で初めてこの名前を聞いた時、なるほど、全てに応用が効く、今まで騙されていた、と思いました。)
I am having lunch now.私は今昼食をとっているところだ。
He is talking on the phone.彼は電話で話し中だ。
これらは必ず終わりますよね。ずっと昼食はとりませんし、ずっと電話で話しません。
一方で「進行」は終わりを前提としていない言葉です。(「進行性のガン」「熱愛進行中」etc.)
ですから上記の2文を「進行」という言葉で呼ぶのはおかしい。
正しくは「未完了形」です。
「一旦昼食をとり始めてまだ終わっていない」
「一旦電話で話し始めてまだ終わっていない」です。
これなら、「今昼食をとっている真っ最中だ」「今電話で話している真っ最中だ」ということも表せますし、もう直ぐ終わるという意味合いも表せます。
「進行」は都合よく解釈されている、玉虫色の用語です。
「進行」ではbe 〜ingという世間一般で「進行形」と呼ばれている動詞の変化形の全ての意味を説明できません。
ですから「例外」という言葉で誤魔化す。(例外があるのは、原則の用語が不完全であることの証明です)
「進行」はbe 〜ingを表す正確な用語ではありません。
言語学習という正確さが必要な時に使ってはいけません。
「未完了」は例外なく全てが説明できます。
ですから是非「進行」は全て「未完了」で置き換えましょう(周りの人には言わずに自分の心の中だけで使いましょう。仙台あたりでは普及している?どうなのかな?)。
以下に、未完了の他の用例を説明します。
・限られた期間内の習慣的な行動も未完了形で表します
We are having bread these days.最近我々はパン食だ。
最近、という限られた期間内での習慣的行動、ということは、一時的な習慣ということです。
いつもはご飯とかパン以外だが、最近は一時的にパン食だ、ということです。
進行形では、「進行形で一時的な状態を表す」と丸暗記です(「進んで行く」のですから終わらない。終わらないのだから「一時的」ではないですよね。「進行」では「一時的」を説明できません。説明できないから「例外」という言葉で逃げるのです。)。
未完了形なら、「一旦パン食を始めてまだ終わっていない」となります。
「まだ終わっていない」(=もうすぐ終わる)という終わりを暗示させる未完了形なので、一時的な習慣を表せます。
これが「限られた期間内の習慣的な行動」と完全に一致します。
・悪習慣「いつも〜ばかりしている」(「反復的動作」とも呼ばれています)
He is always complaining.彼はいつも愚痴ばかり言っている。
「進行形」という言葉で考えると…進行性の癌のように聞こえます。愚痴を言うことが進行しているのですから。どんどん悪くなる一方です。
しかし、これは「一旦愚痴を言って、まだ終わっていない」→「いずれ終わるはずだ」という気持ちを表しているのです。(今は少々困っているが、いずれ治るという気持ちで考えているのです。こんなことがいつまでも続くはずがないのだ、という無意識が出ているのです。)
「進行形」という名前では正確に理解できません。「未完了形」だと発言者の細かい気持ちまでわかります。
「進行」は一時的状態を表す、と丸暗記の方。「進行形」で「悪習慣」を理解しようとすると、進行性の癌のように、どんどん悪くなる一方、つまり一時的ではなくずっと続くように感じられます。
……同じ形の表現が、ある時は一時的、ある時は永続的。
そんな馬鹿な話はありません。
「進行」という言葉で理解しようとすると出鱈目になるのです。
・一時的な状態
She usually wears a skirt, but today she is wearing jeans!彼女はいつもはスカートだが、今日はジーンズをはいているよ!
上記の文なら、いつもはスカートの彼女が、今日は「一旦ジーンズをはいてまだ終わっていない」→「もうすぐジーンズははかなくなる、明日にはスカートに戻るだろう」という意味合いを表すことになります。「一旦〜してまだ終わっていない」だからこそ「一時的な状態」ということなのです。
「進行」という言葉では説明できないと思いますが、どうですか。「進行」では「一時的な状態」を説明できないので、例外(=説明できないから「例外」で逃げる)、だから丸暗記です(「進行」では説明できない項目ですから「例外」として丸暗記。「進行」では説明できない項目ですから「例外」として丸暗記。「進行」では説明できない項目ですから「例外」として丸暗記。)。
大ヒット映画「バック・トゥー・ザ・フューチャー」のラストに近いシーンで、主人公のマーティが1955年から1985年に戻ってきた翌朝に、自宅の居間の風景が一変してセレブな光景になっているのに驚きます。
その時、マクドナルドの制服ではなくスーツを着ている兄のデイヴに、”What are you wearing, Dave?”「何を着ているの、兄さん」とたずねます。いつもはマクドナルドの制服なのに、立派なスーツを着ているので、「一旦着てまだ終わっていない」という「一時的に着ている」という気持ちがあったので未完了形で尋ねているのです。
(ちなみに兄のデイヴは”Marty, I always wear a suit to the office.”「マーティ、会社にはいつもスーツ着て行くじゃないか」と答えます。現在形は習慣的行動で、未完了形とは逆にそう簡単には変わらない習慣を表します。ここらへんの対比にも気付いて頂きたいですね)
・近未来の予定「〜することになっている」
I’m going to France next week.私は来週フランスに行くことになっている。
近未来の予定というのは、もうそれに向けて準備行動を始めているが、まだそのメインの行動自体は完了していない、ということです。
上記の文なら、フランスに行くことに向けて準備行動を始めてはいるが、まだフランスに行くこと自体は完了していない、ですよね。
これって、「一旦〜し始めて、まだ終わっていない」という未完了形とまさに一致します。
ですから近未来の予定は未完了形で表せるのです。(頭の中でリアルに進行するから進行形、など「進行」という用語に依拠して「近未来の予定」を考えるのは、「進行」があいまいな用語、be 〜ingを表すのに不適切な用語であるのですから説明になっていません。「説明」をするのにあいまいな用語、不適切な用語って、それって説明ではないですよね。それに恋愛って、頭の中でリアルに進行しますが、*I am loving you.とは決して言わない。「進行」が間違っている重大な証拠です。*I am loving you.とは決して言わないのは、「私はあなたを一旦愛して、まだ終わっていない(もうすぐ終わる)」(=未完了)と言ったら相手から引っ叩かれますよね。だから言わないのです。「未完了」ならなぜ*I am loving you.と言わないのかを完璧に説明できるのです。)
・推移を表す場合
He is resembling his grandfather more and more these days. 最近彼はますますおじいちゃんに似てきている。
resembleを「進行形」にできないと言っている本や英語関係者がいますが…。実はできます(ネイティブでも意見は分かれるようですが、実際のネイティブによる使用例はあります。辞書に用例が掲載されている[ジーニアス英和辞典でresembleを引いてください]=ネイティブの使用例がある、という事ですので。辞書は、編者の考えではなく、過去の用例集です。それくらい知ってますよね。)。これも進行形ではなく、未完了で説明がつきます。「昔は全然似ていなかったが、最近似てきている」というのは、「一旦似はじめて、まだ完了していない」と取れます。これって、まさに「未完了」です。T進とか、ス○ディサプリの先生はresembleは進行形にならないと断言していますが、そうではないと思います。辞書をちゃんと引きましょうね、その先生方。
・2つの事柄が同時に起きていることを強調したい場合
When children are doing nothing, they are thinking about making mischiefs.子供たちが何もしていない時、いたずらをすることを考えているのです。
「子供たちがゼロ個のこと(=nothing)を一旦してまだ完了していない時、彼らはいたずらをすることを一旦考えて、まだ完了していない」とすると、2つのことが同時に起きていることを強調できます。「一旦〜してまだ終わっていない」という一時的な事柄をしているときに、別のことを「一旦〜してまだ終わっていない」と一時的な状態にあるのです。このことから、2つのことの同時性を強調していることになります。
完了形の逆はな〜んだ?
あと、完了形(〜したところだ)の逆であることも「未完了」という用語で分かります。
「昼食を食べているところだ」「昼食を食べ終えたところだ」
「食べている真っ最中」と「食べ終えた」は真逆です。
「進行形」では「完了形」の逆であることは決して気づけません。
この2つが真逆であることを知らずに、生涯を終えていく「進行形」で考えていた英語関係者が何と多いことか(というか、今までの全ての英語関係者のことですが)。
以前、オーストラリアに語学留学をされている方が日本に一時帰国されている間に集中授業を受講されたことがあります。
その時に「未完了」という言葉は本当に助かった、「進行」ではあいまいで話す時に自信がなかったが今は正確に、自信を持って使えている、と言っていただきました。
お褒めのお言葉でも私は疑ってかかるのですが、このお褒めの言葉は適切な内容だと思います。
この方は、高校でも大学でもあるメジャースポーツで日本一になられた方です。
日本一の経験のある方の目に叶ったことは誇りです。
「進行」はあいまいな用語です。推奨できません。
「進行」って言葉は意味が非常にあいまいです。
英語でもProgoressive(オックスフォードによるとhappening or developing steadily or in stages)というじゃないか、という英語の専門家が出てくると思いますが、何を吐かす。
我々が日本語を完全に説明できるか。国文法がわかりやすいか。
これを考えれば英米人がprgoressiveと言っていても正しい保証はないし、実際「進行」では正確なニュアンスではないのです。
外国語を習うのに、不正確な用語でなんとかなると考えるのはおかしいです。
言語学習は正確な用語のもとで努力をしてようやく達成できるのです。
私が大学受験で英語の偏差値が80近くあっても英語の道に進まずに他の言語の道に進んだのは、こういうおかしな英語の世界のためです。
正確な用語での英語学習が進むことを願います。
「未完了」をどうぞよろしく。
「進行」にこだわる方は、それはあなたの代で終わらせて下さい。
「進行」が正しいなら「熱愛進行中」と言えるのになぜ*I am loving you.と進行形にできないのか。
中学生でも不思議に思うことが説明できませんが。
そういうものだ、と諦めて丸暗記している中高生のなんと多いことか(中学高校時代の私も含む)。
「進行」は全てを説明できず、例外が多すぎる用語です。(進行形にできない動詞、とかいちいち覚える必要があって面倒です)
未来の世代には「未完了」という正しい名前で学習させましょう。
未完了なら全てを説明できる。(例外なし!)
語学も科学的に考えましょう。